近年では、ガラスコーティングをDIYで施工する人が増えており、関連商品も数多く販売されています。以前より気軽に施工できるようになりましたが、きれいに仕上げてコーティング本来の耐久性を引き出すには、塗る前の「下地処理」が欠かせません。しかし、大まかな流れは理解していても、各工程の正しいやり方や細かなコツまで自信がないという方も少なくないでしょう。
下地処理を丁寧に行えるようになると、コーティング本来の仕上がりや耐久性を引き出しやすくなります。この記事では、豊富な下地処理経験を持つプロが、必要な道具から各工程の具体的な施工手順、失敗を防ぐポイントまで詳しく解説します。
ガラスコーティングの仕上がりを決めるほど重要な下地処理

ガラスコーティングの下地処理とは、コーティングを塗る前にボディ表面の汚れや鉄粉、シミ、油分などを取り除き、塗装面を整える作業です。車の状態によっては、細かな傷を研磨して目立たなくする作業も含まれます。どれだけ性能の高いコーティング剤を使用しても、塗装面に汚れや油分が残っていれば、本来の仕上がりや耐久性を引き出しにくくなります。ここでは、下地処理が仕上がりに与える影響と、新車にも必要となる理由について解説します。
仕上がりや耐久性に下地処理が与える影響
下地処理の目的は、コーティングを塗る前にボディ表面を整え、成分が定着しやすい状態にすることです。鉄粉やシミ、油分を取り除き、必要に応じて研磨で細かな傷やくすみも整えます。イメージとしては、メイク前に肌の状態を整えるのと同じです。いくら高価な商品を使っても、土台が整っていなければ本来の良さを十分に引き出せません。
反対に、下地処理を丁寧に行えば塗装面そのものがきれいになり、その上にコーティングすることで艶や耐久性も引き出しやすくなります。専門店が施工前の下地処理に時間をかけるのもこのためで、コーティングの仕上がりは下地処理で大きく変わります。
新車でも下地処理が必要な理由
新車は経年車と比べて傷や頑固な汚れが少ないため、本格的な下地処理を必要としないケースもあります。ただし、何もしなくてよいわけではありません。専門店で下地処理を終えた状態を100点とすると、納車時は50〜80点程度というイメージです。一見きれいでも、照明を当てて確認すると、薄いシミや細かな洗車傷、油分、磨き跡などが残っていることがあります。
屋外で保管されていた車や、展示車として何度も洗車された車では、細かな傷が目立つケースもあります。新車でも状態を確認し、洗車やシミ除去、脱脂など必要な作業を行うことで、納車時より塗装面を整えた状態でコーティングできます。
ガラスコーティング前に行う下地処理の基本的な手順
ガラスコーティング前の下地処理は、ボディに付着している汚れや傷の状態によって必要な作業が異なります。ただし、基本的な流れは共通しています。使用する道具も工程ごとにある程度決まっているため、必要以上に多くの用品を揃える必要はありません。ここでは、下地処理の基本的な流れと必要な道具・用品について解説します。
下地処理の基本的な流れ

ガラスコーティング前の下地処理は、洗車、鉄粉除去、水垢・イオンデポジット除去、研磨、脱脂の順で進めるのが基本です。まずシャンプー洗車で砂やホコリなどの汚れを落とし、鉄粉やシミといった洗車では落ちにくい汚れを順番に除去します。その後、必要に応じて研磨で細かな傷やくすみを整え、最後に油分や残留成分を落とすために脱脂を行います。
ただし、すべての車に同じ工程が必要なわけではありません。傷が少なければ研磨を省くなど、ボディの状態に合わせて必要な作業を選ぶことが大切です。
下地処理に必要な道具・用品

必要な道具や用品は、ボディの状態や実施する下地処理によって変わります。施工途中で不足しないよう、まず塗装面を確認したうえで必要なものを揃えておきましょう。主な道具・用品は以下の通りです。
| 道具・用品 | おもな内容・用途 |
| 洗車セット | バケツ、カーシャンプー、洗車スポンジ・ミット、ホース・高圧洗浄機など。砂やホコリ、泥汚れを落とす |
| 各種除去剤 | 鉄粉除去剤、水垢・イオンデポジット除去剤など。洗車では落ちない固着汚れを除去する |
| 鉄粉除去用粘土 | 除去剤だけでは落としきれずに残った鉄粉を物理的に取り除く |
| 研磨セット | ポリッシャー、バフ、コンパウンド、マスキングテープなど。細かな傷やくすみを整える |
| 脱脂用品 | 脱脂用シャンプー、脱脂クリーナーなど。油分や研磨後の残留成分を除去する |
| 各種クロス | マイクロファイバークロス、吸水クロスなど。薬剤の塗布・拭き取りや水分除去に使用する |
重要なのは道具をすべて揃えることではなく、ボディの状態を確認して必要な下地処理を選ぶことです。
【下地処理①】下地処理の基本となるシャンプー洗車

下地処理では、最初にシャンプー洗車を行い、ボディ表面に付着した砂やホコリ、泥、油汚れなどを落とします。この段階で汚れを残すと、その後の鉄粉除去や研磨作業にも影響するため、丁寧な洗浄が欠かせません。ここでは、下地処理として行うシャンプー洗車の手順を順番に解説します。
ホイールやタイヤなど足回りから先に洗浄する
まずはボディより汚れの多いタイヤやホイールから洗います。ホースや高圧洗浄機の水を当てて、表面に付着した砂や泥、ブレーキダストをできるだけ流しておきましょう。次に、カーシャンプーの泡を付けた足回り専用のスポンジやブラシで、ホイール表面からスポークの隙間まで順番に洗います。
強くこするのではなく、泡で汚れを浮かせながら軽く動かすイメージです。最後に泡や浮いた汚れを水で十分に流します。足回りに使ったスポンジには砂などが残りやすいため、そのままボディには使用しないようにしましょう。
ボディ全体を水で流して砂やホコリを落とす
足回りを洗い終えたら、スポンジを当てる前にボディ全体を水で流します。ルーフから始めて、窓、ボンネット、トランク、側面へと上から下に強めに水を当て、砂やホコリを水圧で落としていきましょう。特に、タイヤ後方やサイドステップ付近など汚れやすい箇所は念入りに流します。この予洗いで重要なのは、目に見える泥だけでなく、塗装面に残った細かな砂までできるだけ減らすことです。
砂が残った状態でスポンジを動かすと、砂を引きずって細かな洗車傷を付ける原因になります。水を流しながら表面を確認し、大きな汚れがなくなってからシャンプー洗車へ進みます。
カーシャンプーを泡立ててボディを上から順に洗う
予洗いが終わったら、商品に記載された希釈率に合わせてカーシャンプーをバケツに入れ、水を勢いよく注いで十分に泡立てます。スポンジにはシャンプー液だけでなく泡もたっぷり含ませ、ルーフから窓、ボンネット、トランク、側面の順に洗いましょう。スポンジを押し付けてゴシゴシこするのではなく、泡を塗装面との間に挟み、スポンジの重さを使って滑らせるように動かします。
1パネルごとに上から下へ進め、スポンジに砂や目立つ汚れが付いた場合は一度水ですすぎましょう。泡が減って滑りにくくなった場合も、そのままこすらずシャンプーを含ませ直してから作業を続けます。
シャンプー成分が残らないよう全体を十分にすすぐ
ボディを洗い終えたら、シャンプーが乾く前にたっぷりの水ですすぎます。ルーフから始め、窓、ボンネット、トランク、側面へと上から下に流し、泡と一緒に浮いた汚れを落としていきましょう。特にドアミラーの付け根やエンブレム周辺、パネルの隙間などは泡が残りやすいため、水を角度を変えながら当てて確認します。
シャンプー成分が残るとシミの原因になるため、見える泡がなくなった段階で終わらせず、全体をもう一度すすぐと安心です。このあと鉄粉除去を行う場合は、ボディを拭き上げず濡れた状態のまま次の工程へ進みます。
【下地処理②】ボディのザラつきをなくす鉄粉除去

シャンプー洗車を終えたら、塗装面に刺さった鉄粉を除去します。鉄粉は洗車だけでは落ちにくく、残ったままでは表面のザラつきやコーティングの密着を妨げる原因になります。まずは鉄粉除去剤でできるだけ浮かせ、それでも残る部分だけ粘土クリーナーで取り除く流れが基本です。
ボディ全体に鉄粉除去剤を吹き付けて反応させる
シャンプーを十分にすすいだら、ボディが濡れた状態のまま鉄粉除去剤を吹き付けます。ルーフやボンネットなど1パネルずつ区切り、液剤が全体に行き渡る程度にまんべんなく噴霧しましょう。その後、濡らしたスポンジやクロスを塗装面に軽く当て、力を入れずに滑らせながら液剤を薄く均一に塗り広げます。
表面をこするのではなく、鉄粉が付着している箇所まで液剤を浸透させるイメージです。製品によっては鉄粉に反応して紫色などに変色しますが、色が変わらないタイプもあります。反応時間や施工方法は商品ごとに異なるため、使用方法を確認しながら進めましょう。
鉄粉除去剤が乾く前にたっぷりの水で洗い流す
鉄粉除去剤が十分に反応したら、紫色に変わった液剤が乾く前に水で洗い流します。ホースや高圧洗浄機を使い、ルーフから下方向へ水を当てながら、液剤と浮いた鉄粉を一緒に流していきましょう。ドアミラーの付け根やパネルの隙間など、液剤が入り込みやすい場所にも水を当てます。
鉄粉除去剤は長時間残したり乾燥させたりすると、塗装面へ負担をかける可能性があります。そのため、一度に車全体を処理するより、乾きやすい環境では1〜2パネルずつ噴霧とすすぎを繰り返す方が作業しやすいでしょう。
残った鉄粉を粘土クリーナーで優しく除去する
鉄粉除去剤を流したあともザラつきが残る場合、粘土クリーナーで物理的に取り除く方法もあります。ただし、DIY施工において粘土は鉄粉を取りやすい反面、塗装面に細かな傷が入りやすいため注意が必要です。専門店では、その後に研磨して傷を整える前提で使用することがありますが、DIYでは同じレベルまで磨き込めません。
まずは鉄粉除去剤をもう一度塗り広げて十分に反応させ、たっぷりの水で流す作業を繰り返しましょう。それでも落ちない部分だけ、ボディを十分に濡らしたうえで粘土を軽く滑らせる程度にとどめるのが無難です。
ボディをすすいでザラつきが残っていないか確認する
作業が終わったら、ボディ全体を上から下へすすぎ、鉄粉除去剤や粘土で浮いた汚れを残さず流します。その後、濡れた塗装面に指先を軽く滑らせ、作業前にあったザラザラとした感触が残っていないか確認しましょう。まだ引っ掛かる部分があれば、その場所だけ鉄粉除去剤や粘土で再処理する流れです。
関連記事:車の鉄粉取りの方法をプロが解説読めば必ず鉄粉除去方法が分かる
【下地処理③】ボディのシミとなる水垢・イオンデポジットを除去

鉄粉を取り除いたら、洗車では落ちなかった水垢やイオンデポジットを除去します。こうしたシミが残ったままでは、コーティングを施工してもきれいな塗装面には仕上がりません。ここでは、専用クリーナーを使って塗装面を傷めにくく除去する手順を解説します。
ボディ全体を確認して水垢・イオンデポジットの付着箇所を確認する
まずはボディ全体を見渡し、水垢やイオンデポジットが残っている場所を確認します。白っぽい輪ジミやうろこ状の跡は、正面から見るだけでは分かりにくいため、斜めから光を当てながらルーフ、ボンネット、トランクなどを順番に見ていきましょう。特に上向きのパネルやドアミラー周辺、モール付近は水分が残りやすく、シミができやすい場所です。
表面に白い成分が固着している程度なら除去剤で落とせる可能性がありますが、塗装面そのものがくぼんだように見えるシミは研磨が必要な場合があります。すべてのシミを除去できるわけではないことは理解しておきましょう。
専用クリーナーを塗布して汚れに反応させる
シミの位置を確認したら、使用するクリーナーの施工方法に合わせて液剤を塗り広げます。濡れた状態で使うタイプなら、軽く水を含ませて絞ったスポンジやクロスへ液剤を適量取り、20〜30cm四方ほどの範囲から作業すると扱いやすいでしょう。塗装面へ軽く当て、強くこすらず縦横へゆっくり滑らせながら、シミ全体を液剤で覆うイメージでなじませます。
酸性成分などで分解するタイプは、力ではなく薬剤の反応で落とすのが基本です。塗り終えたら商品指定の時間だけ反応させ、乾燥する前に次の工程へ進みましょう。
クロスで優しく拭き取りながらシミを除去する
指定時間まで反応させたら、濡らして軽く絞ったマイクロファイバークロスを塗装面へ当て、液剤と分解されたシミを一緒に拭き取ります。クロスを指先で押し込んでゴシゴシこするのではなく、手のひら全体を使い、縦横へゆっくり滑らせる程度の力で十分です。一度拭いた部分を斜めから確認し、輪ジミが薄くなっているかを見ながら少しずつ範囲を広げていきます。
落ちにくいからと強くこすったり、指定時間以上放置したりするのは避けましょう。一度で落ちなければ、同じ工程をもう一度繰り返した方が塗装への負担を抑えやすくなります。
クリーナーを十分に洗い流してシミが残っていないか確認する
拭き取りが終わったら、処理した部分だけでなく周辺までたっぷりの水で流し、クリーナーの成分を残さないようにします。ルーフから下方向へすすぎ、モールやエンブレム、ドアミラーの隙み間など液剤が入り込みやすい場所にも水を当てましょう。その後、塗装面を斜めから見て、白い輪ジミやくすみが残っていないか確認します。
薄く残っている程度なら同じ作業を繰り返しますが、数回処理しても形がほとんど変わらない場合は、シミが塗装面まで侵食している可能性があります。その場合は無理にこすらず、次の研磨工程で整える方法を検討しましょう。
関連記事:ガラスコーティング後にイオンデポジットがついた時の除去方法
【下地処理④】細かな傷やくすみを整えて塗装面を研磨

水垢やイオンデポジットを除去しても残る細かな傷やくすみは、塗装面を研磨して整えます。ただし、ポリッシャーによる研磨は塗装表面のクリア層を削る作業であり、知識や技術がない状態で行うと磨き傷や色抜けを起こす可能性があります。DIYでも施工できますが、リスクを理解したうえで無理のない範囲に留めることが大切です。傷やシミが多い経年車なら、この研磨工程だけ専門店へ依頼する方法も検討しましょう。
傷の状態に合わせてコンパウンドとバフを選ぶ
コンパウンドとは、塗装表面をわずかに削って傷やくすみを整える研磨剤です。研磨力の高い粗目から、磨き跡を整える細目・仕上げ用まで種類があり、傷の深さに合わせて使い分けます。ポリッシャーに取り付けるバフにも、研磨力の高いウール系や、仕上げに使う柔らかいスポンジ系などがあります。
専門店では塗装の状態を見ながら、この組み合わせを何段階にも変えて仕上げていきます。 粗すぎる組み合わせを選ぶと、元の線傷が薄くなっても新たな磨き跡が目立つことがあるため、単に研磨力だけで選ばないことが重要です。
樹脂パーツやエッジ部分をマスキングテープで保護する
ポリッシャーを使う前には、未塗装樹脂やゴムモール、パネルの隙間などをマスキングテープで覆います。特に注意したいのが、ボンネットやドアなど塗装面の端にあるエッジ部分です。こうした場所は研磨時の負荷が集中しやすいため、テープから数mmだけ出ている状態でも、その部分だけ強く磨いてしまう可能性があります。
専門店でもエッジや樹脂部分を細かく養生してから研磨しています。 テープなら何でもよいわけではなく、粘着力の強い一般用途品では糊残りなどの原因になるため、自動車塗装面に使用できるマスキングテープを選びましょう。
粗い傷から順にコンパウンドで磨いていく
本格的な研磨では、傷の深さを確認し、それを消せる研磨力のコンパウンドとバフから磨き始めます。粗い組み合わせで目立つ傷を整えたあと、より細かな組み合わせへ段階的に変え、最初の研磨で付いた磨き跡まで消していく流れです。専門店では傷の深さだけでなく、塗装の状態を見ながらポリッシャーの動かし方や圧力なども調整しています。
この工程を未経験者がいきなり再現するのはおすすめできません。削りすぎたクリア層は元に戻せないため、本格的に傷を消したい場合は専門店への依頼を検討しましょう。
磨き傷をスポンジバフで整えて仕上げる
DIYでどうしてもポリッシャーを試したい場合は、深い傷を消そうとせず、仕上げ用の細かなコンパウンドと柔らかいスポンジバフで軽く整える程度から始める方法があります。研磨力を抑えていても、薄い洗車傷やくすみが整うだけで艶の見え方が変わることがあります。
部分的なシミや小傷なら、細かなコンパウンドを柔らかいクロスや専用スポンジに少量取り、5~10cm四方ほどを優しく手磨きする方法もあります。 同じ場所だけを何度も磨くと仕上がりに差が出るため、少しずつ状態を確認しながら進めましょう。
【下地処理⑤】コーティングの密着を妨げる油分を脱脂

鉄粉やシミ、細かな傷まで整えたら、最後にボディ表面の油分や下地処理剤の残留成分を取り除きます。脱脂が不十分だとコーティング剤が塗装面へ密着しにくくなるため、施工直前の仕上げとして重要な工程です。ここでは、すすぎから脱脂洗車、拭き上げまでの手順を解説します。
たっぷりの水で下地処理後に残った汚れや成分を洗い流す
まずはボディ全体へたっぷりの水をかけ、鉄粉除去剤やシミ取り剤、研磨後のコンパウンドなどを洗い流します。ルーフから始め、ボンネット、トランク、側面へと上から順番に水を当てていきましょう。特にコンパウンドはパネルの隙間やエンブレム周辺、ドアミラーの付け根などに入り込みやすいため、角度を変えながら念入りにすすぎます。
白い粉や液剤の跡が見えなくなっても、細かな成分が残っていることがあります。ここでは汚れを落とし切ろうとこすらず、水で流せるものを先にできるだけ取り除くイメージで進めます。
脱脂用シャンプーでボディ全体を優しく洗う
すすぎが終わったら、脱脂用シャンプーを十分に泡立て、スポンジにたっぷり含ませてボディを洗います。ルーフから1パネルずつ進め、スポンジを強く押し付けず、泡を塗装面との間に挟んで滑らせるように動かしましょう。専用品が理想ですが、新車など油汚れや古いワックスが少ない車なら、通常のカーシャンプーでも表面の汚れや油分をある程度落とせます。
ただし、古いワックスやコーティング、コンパウンドの油分などが残る場合は十分とは限りません。こうした車では脱脂用シャンプーや専用の脱脂剤まで使用すると安心です。
すすぎながら水を強く弾く箇所が残っていないか確認する
洗い終わったら、ルーフから下へたっぷりの水を流しながら、泡を落とすだけでなく水の動きも確認します。脱脂が進んだ塗装面では水がまとまって流れやすくなりますが、一部分だけ細かな水玉になって強く弾く場合は、ワックスや古いコーティングなど撥水性のある成分が残っている可能性があります。
その場合は、該当部分をもう一度脱脂用シャンプーで洗うか、専用の脱脂剤を使って処理しましょう。ただし、水弾きだけで油分の有無を完全に判断できるわけではありません。施工するコーティング剤で指定された脱脂方法がある場合は、その方法を優先します。
関連記事:プロが教えるガラスコーティングのDIY方法!下地処理や塗り方、失敗しない方法を解説
水分を残さないよう丁寧に拭き上げる
脱脂とすすぎが終わったら、清潔な吸水クロスでボディの水分を拭き取ります。クロスを強く押し付けて往復させるのではなく、塗装面へ広げて水分を吸わせながら、一定方向へ軽く滑らせるイメージです。ルーフやボンネットなど広い面を先に拭き、最後にミラーの付け根やドアノブ、パネルの隙間まで確認しましょう。
こうした部分に水が残っていると、コーティング施工中に垂れてきてムラの原因になります。拭き上げ後はボディを一周し、水滴や油分、拭き筋が残っていないことを確認できれば下地処理は完了です。
プロが実際に使用するおすすめのコーティング下地処理アイテム
DIYでも下地処理の質を高めるためには、作業内容に合ったケミカル選びも重要です。ここでは、これまで培ってきたカーコーティングの施工ノウハウをもとに、専門店が開発し、実際の施工でも使用しているSCHILD®シリーズから、おすすめの下地処理アイテムを紹介します。
油汚れを分解し脱脂にも使える「SCHILD® カーシャンプー」

SCHILD® カーシャンプーの特徴は、普段の洗車だけでなくコーティング前の脱脂洗浄まで想定した弱アルカリ性であることです。油分を落としにくい中性タイプとは異なり、排気ガスによる油汚れや油性ワックスなどを分解しやすく、下地に残る余計な油分を洗車と同時に減らせます。
濃縮タイプで、汚れが軽ければ約30倍、重い場合は約10倍を目安に濃度を調整できるのも特徴です。泡立ちにも配慮されているため、洗浄力を確保しながらスポンジとの摩擦を抑えて洗えます。IICでもコーティング施工前の洗浄に実際に使用しているシャンプーです。
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傷を抑えながら頑固な鉄粉を浮かせる「SCHILD® 鉄粉除去剤」

SCHILD® 鉄粉除去剤は、塗装に刺さった鉄粉をいきなり粘土で削り取るのではなく、薬剤を反応させて浮かせ、取りやすい状態へ変える業務用品質のクリーナーです。鉄粉へ反応すると液剤が紫色へ変わるため、どこに多く付着しているのかを目で確認しながら作業できます。軽度な鉄粉なら、塗布して1~3分ほど反応させたあと、クロスなどを使って除去する方法も可能です。
粘土や専用パッドで最初から強くこする方法と比べ、物理的な摩擦を抑えながら作業しやすい点がDIYにも向いています。ボディだけでなく、ブレーキダストが固着したホイールにも使用できます。
研磨剤なしで頑固なシミを分解する「SCHILD® イオンデポジット除去剤」

SCHILD® イオンデポジット除去剤は、シミをコンパウンドで削るのではなく、無機酸塩やキレート酸によってカルシウムやケイ素などの成分を化学的に分解するタイプです。研磨剤を配合していないため、除去作業による細かな磨き傷を避けながら、洗車では落とせないイオンデポジットへアプローチできます。
専門店のメンテナンスでも使われる業務用として洗浄力を重視しながら、コーティング施工車にも対応している点が大きな特徴です。施工も、乾いた塗装面へ薄く塗布して約30秒反応させ、もう一度塗布したあと水拭きする流れで進められます。
残った油膜を落として密着性を高める「SCHILD® 脱脂クリーナー」

SCHILD® 脱脂クリーナーは、シャンプー洗車後にも残る強固な油膜や余剰成分を落とすための、コーティング施工前専用クリーナーです。界面活性剤とアルコールなどを配合しており、洗車だけでは取り切れなかった油分まで処理できる点がカーシャンプーとの大きな違いです。使用時はマイクロファイバークロスへ液剤を含ませて塗装面へ均等に広げ、その後、乾いたクロスで液剤が残らないよう拭き上げます。
油膜を除去して塗装面とコーティング剤の間に余計な成分が残りにくい状態へ整えられるため、下地処理の最終仕上げに適したアイテムです。クロスが付属しており、そのまま施工を始められます。
SCHILD® 脱脂クリーナー(マイクロファイバー1枚セット)の詳細はこちら
さまざまなボディ状態に対応できてお得な「下地処理5点セット」

下地処理用品を一から揃える場合に選びやすいのが、SCHILD® 下地処理5点セットです。カーシャンプー300ml、イオンデポジット除去剤100ml、洗車用ウレタンスポンジ、マイクロファイバークロス2枚がセットになっています。
弱アルカリ性シャンプーで油膜などを洗浄し、酸性のイオンデポジット除去剤で水道水や雨によるスケールを処理するため、性質の異なる汚れを1セットで段階的に落とせるのが特徴です。洗車用品と下地処理剤を個別に選ぶ手間もなく、鉄粉や深い傷が目立たない新車など、基本的な下地処理から始めたい方にも向いています。
下地処理5点セットの詳細はこちら
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ガラスコーティングの下地処理に関するよくある質問

DIY施工における下地処理の流れや、各工程の具体的な作業方法について解説してきましたが、実際に自分で施工するとなると、まだまだ気になることがあるという方もいるのではないでしょうか。ここでは、下地処理に関連する4つのよくある質問に答えていきます。
下地処理はポリッシャーやコンパウンドなしでもできる?
ポリッシャーやコンパウンドがなくても、下地処理自体は可能です。洗車や鉄粉除去、イオンデポジット除去、脱脂を行うだけでも、ボディ表面はかなり整えられます。新車や傷の少ない車であれば、本格的な研磨が必要ないケースもあります。反対に、深い洗車傷や塗装面まで侵食したシミをきれいにするには研磨が必要です。
ただし、ポリッシャーは操作方法を知るだけで使いこなせるものではなく、削りすぎや磨き跡が残るリスクもあります。研磨が必要な状態なら、その工程だけ専門店へ依頼する方法も検討しましょう。
ピッチ・タールが付着している場合はどう処理する?
ピッチやタールは道路由来の油性汚れで、通常のカーシャンプーでは落ちにくいため、専用のピッチ・タールクリーナーを使うのが基本です。石油系溶剤などを使ったタイプで汚れを軟化させ、柔らかいクロスで拭き取ります。鉄粉除去剤やイオンデポジット除去剤は対象となる汚れが異なるため、代用品としては向いていません。
製品によっては既存のコーティング性能を低下させるほか、再塗装面や劣化した塗装に使用できないものもあります。さらにシリコーンを含む商品もあるため、コーティング前に使用した場合は、その後に洗車と脱脂を行い成分を残さないようにしましょう。
古いワックスやコーティングは除去する必要がある?
ガラスコーティングを再施工する場合は、古いワックスや劣化したコーティングをできるだけ除去してから施工するのが基本です。部分的に古い被膜が残っていると、新しいコーティングが均一に定着しにくくなり、艶や水弾きにも差が出る可能性があります。専門店では、除去剤や研磨を使って古い被膜まで除去してから再施工します。
ただし、簡易コーティングの中には既存被膜の上から繰り返し施工できる商品もあります。下地処理をなるべく省きたい場合は、再施工方法まで確認したうえで、重ね塗りに対応した簡易タイプを選ぶとよいでしょう。
下地処理が終わったらすぐにガラスコーティングしてもいい?
下地処理後は、余計な汚れが再付着する前にコーティングまで施工するのがおすすめです。ただし、水分を嫌う硬化型ガラスコーティングでは、脱脂洗浄後にボディを完全に乾かしてから塗布します。表面だけでなく、ドアミラーやエンブレム、パネルの隙間から水が垂れてこない状態まで乾燥させることが重要です。乾燥目安として、夏場は約1時間、冬場は約4時間となります。 一方、濡れたボディに施工できる簡易タイプもあるため、最終的には使用する商品の施工方法を優先しましょう。
専門店・カービューティーアイアイシーでは、動画でもコーティングの施工方法や施工後のメンテナンスについて詳しく解説しております。参考動画としてぜひご覧ください。
出典:YouTube
監修者
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
本サイトは、カーコーティング専門店「株式会社カービューティーアイアイシー」が運営し、長年現場で施工に携わってきた舊役哲史(きゅうやく てつし)が監修しています。2016年にガラスコーティング剤・洗車用品の専門通販サイトとしてスタートし、「自分で施工できる高品質なコーティング剤が欲しい」というお客様の声をもとに誕生しました。プロの施工現場で培った知識と経験を活かし、初心者でも扱いやすく、かつプロ品質の製品を提供しています。現在では多くのユーザーやコーティング業者にも支持され、高評価レビューを獲得しています。「本当に効果のある製品だけを届ける」ことを信念に、製品開発・選定・情報発信を行っています。
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